検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年
検索結果: 20 件中 1件目~20件目を表示
  • 1

発表形式

Initialising ...

選択項目を絞り込む

掲載資料名

Initialising ...

発表会議名

Initialising ...

筆頭著者名

Initialising ...

キーワード

Initialising ...

使用言語

Initialising ...

発行年

Initialising ...

開催年

Initialising ...

選択した検索結果をダウンロード

口頭

ICP-MS/MSを用いた$$^{151}$$Smの合理的な分析技術開発

堀田 拓摩; 秋元 友寿*; Do, V. K.

no journal, , 

サマリウム-151 ($$^{151}$$Sm)は、半減期が約90年の$$beta$$線放出核種($$beta$$核種)で従来は$$beta$$線測定により分析されている。種々の線源が混在する試料の$$beta$$線測定では、他の$$beta$$核種の分離操作が必要であるが、その分離操作が煩雑であり長時間かかることが課題である。そこで、二つの四重極とその間にコリジョン・リアクションセル(CRC)を装備したタンデム型誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS/MS)による、合理的な$$^{151}$$Sm分析技術を開発している。質量分析では同重体(ユウロピウム-151 ($$^{151}$$Eu))などの分離を要するが、分離対象が少なく短時間測定が可能である。さらに、CRCへ導入する反応ガスに対する測定核種および同重体の反応性の違いを利用した同重体分離測定が可能である。種々の反応ガスとのSmおよびEuの反応性を確認し、$$^{151}$$Euからの$$^{151}$$Sm分離測定条件について検討した。その結果、NH$$_{3}$$ガスを用いた際に、m/Zが16増えた分子イオンの生成挙動にSmとEuで差が確認できた。この反応性の差により、$$^{151}$$Euからの$$^{151}$$Sm分離測定条件について見出すことができた。

口頭

J-PARC ANNRIにおけるパルス中性子を用いたPGA及びNRTA

藤 暢輔; 前田 亮; 常山 正幸*; 瀬川 麻里子; 木村 敦; 中村 詔司

no journal, , 

J-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)のBL04に設置した中性子核反応測定装置(ANNRI)では、中性子ビームを用いた非破壊元素分析法である即発ガンマ線分析(PGA)と中性子共鳴捕獲分析(NRCA)を実施することができる。また、大強度パルス中性子を用いることができるため、PGAとNRCAを組み合わせた分析(TOF-PGA)も可能である。TOF-PGAは優れた峻別性能を持つため複雑な組成を持つ試料であっても容易に核種を同定することができる。中性子ビームを用いた非破壊元素分析法にはPGAやNRCAの他に中性子共鳴透過分析(NRTA)がある。NRTAは試料を透過した中性子を測定するため、試料と検出器を離して設置することができる。そのため、試料から放出される放射線の影響を受けにくいという特長があり、使用済核燃料などの高い放射能を持つ試料の高精度非破壊測定法として期待されている。NRTAは前述の特長を有するうえにPGAやNRCAの相補的な手法であるためJ-PARC ANNRIにおける実装を目指している。本発表ではNRTA及びTOF-PGA等の開発の進捗状況や、フィルター装置などのANNRI装置の高度化について報告するとともに、これまでに得られた実験結果等から明らかになった課題と今後の展望等についても述べる。

口頭

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターにおける加速器質量分析法による地下水中の$$^{129}$$I/$$^{127}$$I比測定法の構築

藤田 奈津子; 岡部 宣章*; 松原 章浩; 三宅 正恭*; 國分 陽子; 渡邊 隆広

no journal, , 

日本原子力研究開発機構東濃地科学センター土岐地球年代学研究所では、JAEA-AMS-TONOを用いて、機構で行う高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する深地層の科学的研究や、施設供用利用制度による外部からの依頼試料の年代測定等を行っている。JAEA-AMS-TONOでは、現在、炭素-14, ベリリウム-10及びアルミニウム-26の測定を行うことができるが、地下水中のヨウ素同位体比($$^{129}$$I/$$^{127}$$I)の測定法を構築したので報告する。前処理手順のうちヨウ素の抽出法として、ノルマルヘキサンによる溶媒抽出を検討し、ノルマルヘキサンは、人為起源の$$^{129}$$Iの混入もなく低い同位体比のヨウ素の抽出が可能であることが確認できた。また、測定法の整備では、検出器の膜の検討や、これまで測定していた$$^{14}$$Cなどに比べて$$^{129}$$Iは重いことから分析電磁石及び加速電圧の最適化を行い、試験測定の結果、$$^{129}$$I/$$^{127}$$I比測定が可能となった。

口頭

ラジウム($$^{226}$$Ra)を高濃度に含む淡水系地下水の成因; 人形峠環境技術センター内露天採掘場跡地の地下水について

富田 純平; 竹内 絵里奈; 小原 義之

no journal, , 

原子力機構人形峠環境技術センター内露天採掘場跡地の$$^{226}$$Raを高濃度に含む淡水系地下水の成因を明らかにするために、地下水及び岩石試料を採取した。地下水中のRa同位体は、主に溶存態($$<$$10kDa)とし、$$^{226}$$Ra濃度(0.026-2.8Bq kg$$^{-1}$$)は塩分及びMn濃度の増加と共に高くなる傾向が見られたが、国内の他の淡水系地下水と比較すると、塩分から想定されるよりも高い$$^{226}$$Ra濃度であった。岩石中のU系列核種濃度(0.02-60Bqg$$^{-1}$$)は、その大部分において、通常の岩石(-0.1Bq g$$^{-1}$$程度)よりも高濃度であった。有孔管部の岩石試料(6試料)の化学的抽出実験の結果、移動性画分に存在する$$^{226}$$Raの半分以上がFe-Mn酸化物態に存在した。以上のことから、人形峠環境技術センター内露天採掘場跡地では、岩石中のMn酸化物態に存在する高濃度の$$^{226}$$Raが、還元雰囲気においてMnが還元され溶出した際に水中に溶出し、塩分等の水質に従って再分配されることで、$$^{226}$$Raを高濃度に含む淡水系地下水が形成されると考えられた。

口頭

歯や耳石に記録された放射性核種の取り込み履歴

小荒井 一真; 松枝 誠; 藤原 健壮; 小野 拓実*; 木野 康志*; 岡 壽崇; 奥津 賢一*; 高橋 温*; 鈴木 敏彦*; 清水 良央*; et al.

no journal, , 

硬組織の中でも、歯は特殊な形成・代謝メカニズムをもつ。そのため、ある1本の歯の内部でも$$^{90}$$Srと$$^{137}$$Csの分布が異なる可能性がある本研究では、硬組織の性質・特徴を利用し、1検体の歯や耳石から動物生息環境中における$$^{90}$$Srと$$^{137}$$Csの分布の時間変化の推定を目指す。事故時点で形成中の歯において、エナメル質の$$^{90}$$Sr比放射能は象牙質の比放射能よりも低い値であった。このように歯の形成時期が事故をまたいだ場合、歯の組織内で$$^{90}$$Srの分布に差があることが示された。この$$^{90}$$Sr比放射能の変化は、事故前後のウシ生息環境中での$$^{90}$$Srの分布の変化を表していると考えられる。同一個体内のウグイ骨と耳石において、安定Srは骨が耳石よりも高濃度であったが、安定Csは骨が耳石より低濃度であった。また、耳石中での安定Sr、安定Csの分布は一様であった。したがって、耳石内で安定SrやCsに対する$$^{90}$$Srと$$^{137}$$Csの分布に変化があれば、河川や海洋での分布の変化を示唆すると考えられる。

口頭

分光測定によるウラン電解析出の反応研究

大内 和希; 松村 大樹; 辻 卓也; 小林 徹; 音部 治幹; 北辻 章浩

no journal, , 

本研究では、先行研究より酸性条件であるpH2$$sim$$3の溶液中での電解還元に伴うUの析出反応を明らかにするため、紫外可視分光光度法及びX線吸収微細構造(XAFS)によりU電解析出物の原子価と化学状態を分析した。電解調製後のU(V)溶液の吸光スペクトルを測定したところ、U析出物の光散乱に起因するベースライン上昇とU(IV)に帰属される吸収ピークを観測した。時間経過により、析出物が増加するとともにU(VI)の吸収ピークを観測したことから、U(V)の不均化反応により4価と6価が生成し、4価のUが析出していることが確認できた。pH2のU電解析出物のXAFS測定した結果、U(IV)水酸化物と同定した。よって、pH2$$sim$$3ではU(IV)水酸化物として析出し、最終的に酸化物に状態変化するpH4と反応挙動が異なることがわかった。

口頭

環境サンプル中の放射性核種分析を目的とした迅速かつ簡便な高倍率濃縮手法の検討

松枝 誠; 小荒井 一真; 藤原 健壮; 北村 哲浩

no journal, , 

環境中の放射性核種は極微量のため、大容量試料の濃縮が必要となる。本研究では均一な溶液に相分離現象を与えて形成させた新たな液体相に目的物を抽出する均一液液抽出法の適用を検討した。一般的な溶媒抽出は水相と有機相の接触界面を大きくするために多量の有機溶媒の使用を必要とするが、本法は相分離前に目的物と抽出剤が混合しており、接触面積が非常に大きいため、少量の抽出剤で十分である。今回はpH変化で相形成するpH依存型抽出及びイオン液体の形成反応を利用したイオン液体抽出を用いて各元素の抽出傾向を調査した。その結果、pH依存型抽出ではCapstone FS-63という抽出剤で25種類(Ga, Y, Zn, Nb, In, Sn, Ln, Hf, Ta, Pb, Bi, Th, U)の元素を95%以上抽出した。操作時間は約15分で、抽出相の体積は30$$mu$$Lとなり、167倍の濃縮倍率を得た。イオン液体抽出ではジシクロヘキサノ-18-クラウン6-エーテルとの組合わせでアルカリ金属, アルカリ土類金属, Tl, Pbを選択的に抽出した(Rb: 96.6%, Sr:95.2%, Cs:86.5%, Ba:97.3%, Tl:99.7%, Pb:83.9%)。操作時間は約15分で、抽出相体積は125$$mu$$Lとなり、40倍の濃縮倍率を得た。通常の溶媒抽出よりも高い濃縮倍率で迅速に操作が完了した。

口頭

原発南東方向で発見した既知のタイプに分類困難な放射性粒子

佐藤 志彦; 末木 啓介*; 石井 達也*; 五十嵐 淳哉*; Martin, P.*; Jones, C.*; Scott, T.*

no journal, , 

2011年に発生した福島第一原子力発電所(1F)事故では、放出したセシウムの一部がケイ酸化合物に取り込まれた不溶性Cs粒子として放出したことが判明している。このうち3月12日の1号機由来と15日早朝の2あるいは3号機からの放出が確認されているが、それ以外の事故イベントによる粒子の放出はまだ確認されていない。本研究では不溶性Cs粒子が報告されている1F北西地域以外で採取した土壌試料に探索対象を拡大することで、他の粒子放出のイベント有無、および新たな種類の放射性粒子の存在を調査した。

口頭

大型二次イオン質量分析装置を用いた微小ウラン粒子の同位体比分析

富田 涼平; 江坂 文孝; 安田 健一郎; 鈴木 大輔; 宮本 ユタカ

no journal, , 

従来のSIMS装置を用いたウラン同位体比分析では測定対象粒子の近くに存在する不純物(Pb, Al, Fe等)が分子イオン妨害を引き起こし、不精確な同位体比を示す問題があった。この問題を解決するために分析計を大型化したLarge-Geometry(LG)-SIMS装置を用いて、これらの分子イオン妨害の低減を図った。また、環境試料中のミクロンサイズのウラン粒子から十分な二次イオン強度を得つつ、分子イオン妨害を効果的に分離できる最適な分析条件を求める必要があった。本研究は実際の保障措置分析の要求に耐えうる最適なLG-SIMS装置の分析条件の決定を目的とし、ウランに対する代表的な分子イオン妨害を分離できる質量分解能、二次イオン強度と二次イオンのピーク形状の関係を調べた。ウラン粒子のSIMS分析における代表的な分子イオン妨害のひとつにPbAl$$^{+}$$(質量数: 234, 235)が挙げられる。この分子イオンをU$$^{+}$$から分離するには計算上で2741の質量分解能が必要となる。この質量分解能を目標とし、十分なウランの二次イオン強度が得られる条件を求めた。その結果、入口スリット200$$mu$$m、出口スリット500$$mu$$mの時に最も良好な二次イオン強度、ピーク形状が見られた。この時の質量分解能は2560であり、目標としたPbAl$$^{+}$$をほぼ分離することができる。LG-SIMS装置を用いることで、従来の装置では分離することができなかった分子イオン妨害を概ね分離しつつ、良好な測定が可能であることがわかった。

口頭

ラマン分光法とX線吸収分光法による二酸化ウランの酸化状態分析

蓬田 匠; 大内 和希; 松村 大樹; 辻 卓也; 小林 徹; 北辻 章浩

no journal, , 

原子力発電用の燃料として用いられている二酸化ウラン(UO$$_{2+X}$$)は、不定比化合物であり、ウランの酸化状態がわずかに異なる場合がある。また、酸化されることによりその安定性が変化するため、福島第一原子力発電所の廃炉において、事故で発生した燃料デブリ等のウラン酸化物の酸化状態を把握することが必要である。本研究では、微量の試料でウランの酸化状態を判別する手法の開発を目的として、ラマン分光法及びX線吸収分光法を用いた状態分析を検討した。経年UO$$_{2}$$のX線吸収端近傍構造スペクトルの吸収端を新規合成UO$$_{2}$$と比較したところ、高エネルギー側にシフトしたため、経年UO$$_{2}$$は4価よりも酸化されていると判別できた。また、新規合成UO$$_{2}$$と経年UO$$_{2}$$のどちらも、二酸化ウランの蛍石型結晶構造に由来する447cm$$^{-1}$$, 1150cm$$^{-1}$$のラマンピークが観測されたが、447cm$$^{-1}$$のラマンピークに対する1150cm$$^{-1}$$のラマンピークの強度比は新規合成UO$$_{2}$$の方が大きく、ウランの酸化状態の変化を反映した。これらの結果から、両分光法を用いた微少試料の分析により、ウラン酸化物の不定比性を判別可能であることが示された。

口頭

福島第一原子力発電所近郊の室内ダスト試料の$$^{134}$$Cs/$$^{137}$$Cs比による放射性物質の拡散分布

箕輪 はるか*; 吉川 英樹; 中間 茂雄; 佐藤 志彦; 末木 啓介*

no journal, , 

東京電力福島第一原子力発電所(福島第一原発)の事故では、3基の原子炉から環境中に放射性物質が放出された。地表にはこれら3基の原子炉を放出源とする放射性物質が混合して沈着しており、その混合比は各原子炉からの放出量とタイミングおよびその際の風向きや地形などに依存する。各原子炉内の事故時の放射性セシウム同位体比$$^{134}$$Cs/$$^{137}$$Csは、1号炉0.94、2号炉1.08、3号炉1.04、と算出されており、環境試料の$$^{134}$$Cs/$$^{137}$$Cs比を精度よく求めれば放出源の原子炉が推定できる可能性がある。放射性セシウムの測定にはGe半導体検出器が使われるが、$$^{134}$$Cs/$$^{137}$$Cs比を精度良く求めるためには試料と測定器の相対位置の厳密性が特に求められる。$$^{134}$$Csは主なものだけで11本の$$gamma$$線を放出し一部はカスケード壊変をする。そのため試料を測定器に近接させて測定した場合にサムピーク効果の影響を受ける。一方、$$^{137}$$Csは662keVの$$gamma$$線1本のみ放出するためサムピーク効果の影響は受けない。したがって、$$^{134}$$Csと$$^{137}$$Csとでは測定器と試料の距離による計数効率の変動の度合いが異なる。本研究ではまずGe半導体検出器における$$^{134}$$Csの計数効率に与えるサムピーク効果の影響を調べ、得られた計数効率を実試料に適用した。

口頭

福島原発事故により放出された不溶性粒子に含まれるプルトニウムの定量

五十嵐 淳哉*; Zheng, J.*; Zhang, Z.*; 二宮 和彦*; 佐藤 志彦; 福田 美保*; Ni, Y.*; 青野 辰雄*; 篠原 厚*

no journal, , 

Puは原子力災害において最も注目される放射性核種の一つであり、2011年に起こった福島原発事故後にもPuの調査が行われている。本研究では、放射化学的手法とICP-MS質量分析により、不溶性粒子からのPuの定量を行った。採取した不溶性粒子をアルカリ溶融により溶液化し、TEVA,UTEVA,DGAレジンを用いたカラム分離を行い、Puの分離を行った。分離溶液について、SF-ICP-MSにより質量数が239,240,241の領域を測定することにより、Pu同位体($$^{239}$$Pu,$$^{240}$$Pu,$$^{241}$$Pu)を定量した。4個の不溶性粒子の分析を行った結果、3つの粒子でPuが検出され、同位体比は、$$^{240}$$Pu/$$^{239}$$Puで0.330-0.415、$$^{241}$$Pu/$$^{239}$$Puで0.161-0.178が得られた。これはGF由来の値よりも大きく、福島原発の炉内インベントリーの計算値やこれまで報告されている福島原発付近で採取された、落ち葉などの一部の環境試料の値良い致を示していることがわかった。不溶性粒子に含まれるPuの量は、$$^{239+240}$$Pu/$$^{137}$$Csで10$$^{-8}$$のオーダーであったが、由来とする原子炉が異なる粒子同士で差があることが分かった。

口頭

一号機由来の放射性粒子の生成過程の検討

石井 達也*; 末木 啓介*; 松尾 一樹*; 黒澤 正紀*; 佐藤 志彦; 小畠 雅明; 福田 竜生; 吉井 賢資; 谷田 肇; 岡根 哲夫; et al.

no journal, , 

2011年3月、福島第一原子力発電所事故によって、放射性セシウムを高濃度に含む不溶性の放射性粒子が放出された。放射性粒子の物理的, 化学的な性質を調べることは、事故発生時の原子炉内部の情報を理解することにつながると考えられている。放射性粒子はType-A(2, 3号機由来)とType-B(1号機由来)に大別される。Type-BはType-Aとは異なり、大きさが数百$$mu$$mと大きく、不定形であり、元素分布は不均一である。そのため、生成過程や生成環境も異なると考えられる。そこで、放射性粒子の原料や元素の化学状態等について議論し、Type-Bの放射性粒子の生成過程を検討した。放射性粒子は、福島第一原子力発電所から北北西に2km地点にある工場敷地内のダスト試料から取り出した。Type-Bの放射性粒子2個を断面加工し、母材部分や重元素部分について、SEM-EDS分析をした。また大型放射光施設SPring-8 BL22XUにて、硬X線光電子分光(HAXPES)を行い、放射性粒子表面の元素の化学状態を分析した。そしてこれらによりType-Bの放射性粒子の原料とCsの化学状態を考えることで、どのように粒子が形成され、高放射能を持つようになったかを推察する手掛かりが得られた。

口頭

Internal structure and composition of Unit 1 particulate revealed through combined synchrotron and mass-spectrometry techniques

Martin, P.*; Scott, T.*; 佐藤 志彦

no journal, , 

福島第一原子力発電所1号機から放出した放射性粒子に対し、Labおよびシンクロトロン放射光(SR)X線トモグラフィー(XRT)の両方を適用することにより内部構造を分析した。代表的な450$$mu$$m $$times$$ 280$$mu$$m $$times$$ 250$$mu$$m粒子の内部構造は、内部容積の24%で非常に多孔質であることが明らかとなった。SR蛍光X線(XRF)による粒子状物質の組成(元素)分析では、いくつかの元素(Sr, Pb、およびZrを含む)の粒子の外側付近で濃縮が確認された。材料表面から押し出された、鉄をベースとした角状の破片やセメント組成物の多くの大きな破片が粒子表面に埋め込まれて観察された。粒子内にあるいくつかの高原子密度粒子に対し行ったSR-X線吸収端構造(XANES)分析により、UがUO$$_2$$としてU(IV)酸化状態で存在することを確認した。粒子の表面のすぐ下に囲まれたこのミクロンスケールのU材料の同位体分析は、二次イオン質量分析法(SIMS)を使用して、原子炉1号機で使用される3.54wt%の$$^{235}$$Uであることが確認された。

口頭

KPFM法を用いた放射性Cs微粒子の表面電位の測定

黒澤 景一*; 岩田 歩*; 佐藤 志彦; 阿部 善也*; 五十嵐 康人*; 奥田 知明*

no journal, , 

福島第一原子力発電所事故によって大気中に飛散した放射性物質のうち、放射性Cs微粒子(CsMP: radiocaesium-bearing microparticles)と呼ばれる不溶性の粒子が存在することが知られている。放射性のエアロゾル粒子はその$$beta$$崩壊に起因する電子線放射によって自家帯電することが指摘されているため、CsMPの健康影響を正確に評価するためにはその帯電状態についても明らかにする必要がある。しかしながら、実環境中から採取された粒子個々の詳細な電気的特性を測定する手法は未だ確立されておらず、とりわけ実際の福島第一原子力発電所事故由来の粒子について測定した例はない。そこで本研究ではKPFM (Kelvin Probe Force Microscopy)法を用いて粒子の表面電位を測定する手法を確立し、CsMPの詳細な電気的特性を明らかにすることを目的とした。結果、粒子の基板に対する表面電位の値は+0.3V $$sim$$ -0.3Vの範囲であった。粒子中央付近では負に、粒子外縁付近では正の表面電位を示すというように、同一粒子内での表面電位の偏りが確認された。この様な粒子内での表面電位分布の偏りは放射性Csの分布に起因する可能性が高いと考えられる。

口頭

電子スピン共鳴法による野生動物の外部被ばく線量推定法の検討

岡 壽崇; 高橋 温*; 小荒井 一真; 光安 優典*; 小野 拓実*; 田巻 廣明*; 木野 康志*; 関根 勉*; 清水 良央*; 千葉 美麗*; et al.

no journal, , 

福島原子力発電所事故によって放出された放射性物質によって野生動物は長期的な低線量率被ばくを受ける。通常は個々の野生動物の捕獲地点の空間線量率を元に外部被ばく線量を推定するが、野生動物は生息域が広いために見積もった外部被ばく線量には不確定要素が大きく、生物影響と明確な相関が得られないことが多い。そこで我々は、電子スピン共鳴(ESR)線量推定法を利用し、歯から外部被ばく線量を直接推定することにした。本研究では、比較的高い空間線量率を示す地域で捕獲した野生ニホンザルとアライグマの歯を用いて、個体の外部被ばく線量を推定した。

口頭

振動和周波発生分光法を用いたランタノイドおよびアクチノイド研究の界面化学への展開

日下 良二

no journal, , 

本発表は日本放射化学会2019年奨励賞受賞の受賞講演である。原子力機構の管理区域で振動和周波発生分光法を用いることにより得られたランタノイドおよびアクチノイドの界面化学の研究成果を総括的に発表する。

口頭

周期表が書き換わる?; アクチノイド最後の元素でみつけた周期表のほころび

佐藤 哲也

no journal, , 

重アクチノイド元素の性質を明らかにするため、最外殻電子の束縛エネルギーを直接反映する物理量である第一イオン化エネルギー(IP$$_1$$)に着目し、これを実験的に求めることにより、103番元素ローレンシウム(Lr)をはじめとする重アクチノイド元素の電子配置に関する情報を得ることを試みた。表面電離法を応用した新しい手法を開発し、フェルミウム(Fm), メンデレビウム(Md), ノーベリウム(No)およびLrのIP$$_1$$を実験的に決定することに成功した。この結果から、Noで準閉殻構造[Rn]7s$$^2$$5f$$^{14}$$をとり、Lrでゆるく束縛された1個の電子を最外殻軌道にもつことを明らかにした。これにより、Lrでアクチノイド系列が終わることを初めて実験的に示すことができた。

口頭

HF/HNO$$_{3}$$水溶液中におけるNb, Ta, Paの陰イオン交換実験; Dbフッ化物錯体の推定に向けて

安達 サディア*; 末木 啓介*; 豊嶋 厚史*; 塚田 和明; 羽場 宏光*; 小森 有希子*; 横北 卓也*; 森 大輝*

no journal, , 

ドブニウムフッ化物錯体の化学種推定に向けた基礎実験として、HF/HNO$$_{3}$$水溶液でニオブ, タンタル, プロトアクチニウムの陰イオン交換実験を行なった。HNO$$_{3}$$濃度ごとに、フッ化物イオン濃度を変化させ陰イオン交換挙動を調べた。講演ではその分配係数の変化から錯形成について考察し、ドブニウムの化学種検討を行なう。

口頭

熱分離法を用いたがん治療用$$^{67}$$Cu製造分離法の開発

太田 朗生*; 川端 方子*; 本石 章司*; 佐伯 秀也*; 橋本 和幸*; 塚田 和明; 初川 雄一*; 永井 泰樹*

no journal, , 

診断も可能ながん治療用RIとして着目されている$$^{67}$$Cuは大量製造が難しいため、研究開発が遅れている。我々は$$^{67}$$Cuの大量製造を目指し、加速器中性子を用いて$$^{68}$$Znから$$^{67}$$Cuを製造し、湿式法によってZnとCuの分離・精製を行ってきた。しかし、湿式法では処理するZnの量が増えるに伴い、化学処理に要する時間が増える。そこで、蒸気圧の差を利用した熱分離法を用いてZnとCuの分離時間の短縮を目的とした製造方法の開発を行った。

20 件中 1件目~20件目を表示
  • 1